昨年夜桜鑑賞で訪れて、すっかりその妖しい美しさに虜になってしまった千鳥ヶ淵。
昼間にきたらまた雰囲気違って、それはそれできれいなんだろうなぁと思っていたけれど、まさか先月のような大災害があり、ライトアップが中止になるとは思っていませんでした。
でもこんな悲しい時だからこそ、美しい光を浴びて元気になりたいもの。
という訳で、今年は昼間に行ってまいりました。
九段下の駅から出ると、武道館が。
駅の前は、たくさんの花見客でいっぱい。
皆さん、春を待っていたんだなぁ。
水面にたくさんの花びらが浮かび、ピンク色の絨毯みたい。
桜のアーチの中を通り抜けていくと、自然に表情が緩みます。
春って、桜って、なんでこんなにも幸せな気持ちがこみ上げてくるんだろう。
ボートも、よくぶつからないなぁって位の数が出ていて、それでも乗り場にはすごい行列。
でも、こんな桜を下から間近で見上げられる感動、長時間待っても、一度は味わってみてもいいかもね。
桜は満開で、ちらほら散りかけている感じ。
歩道には花びらがたくさん落ちていて、道端の花にもふんわり、こんな風に。
風が吹くたびに、桜の木からも、下からもふわっと花びらが舞って、そのたびになんともいえないうっとりとした気持ちになれました。
そして空を見上げれば、視界を埋め尽くす桜の花、花、花。
桜をバックに、記念撮影を撮られる皆さんの満面の笑み。
笑顔の洪水。そばにいるだけで、とてもハッピーな気持ちになってきちゃいました。
上にじゃなくて、崖に這うように伸びる樹がまたなんともきれいで。
桜の花ごしに、ゆったりと行き交うボートを眺めているだけで心安らぎます。
3月、4月と、個人的にも色々考えなくてはいけない事が重なっているのに、現実から逃避しがちだったのですが、こういうところきて、自分の中の時計のねじをゆっくり巻いて、優しく再起動すると、ふうっと身体が軽くなって、一歩前に足踏み出したい気持ちになれます。
古く立派な樹を見ながら、しばし「この樹は、果たしてどの位長い時間をすごしてきたんだろう?」と瞑想。
地面に染み込んだ雨水を樹が吸い、枝一本一本に行き渡って脈打つ鼓動。
それを何十年も繰り返してきた、桜の樹の長い時の流れに思いを馳せてみると、自分の悩みなんてすごくちっぽけな気持ちがしてくる。
小さな花一つ一つが輝いて見えて、少しでも多くの花の美しさを瞼の裏側で感じたくて。
そばに寄って眺めずにはいられませんでした。
こんな風にゆっくりと緑道を歩いているうちに、気が付いたらだいぶ奥の方まで歩いて来ていました。
曇っていた空も、青空が見えて。
桜の花と青空のグラデーションも、すごく素敵でした。
ずっと、このお花の中でうっとりしていたくなっちゃうね、と一緒に訪れた母と思わずにっこり。
たくさんの元気をありがとう。
もう少し、あと少し写真撮りたいねと、帰り道を引き返しては写真を撮ってと、満開の桜をたっぷりと満喫した午後でした。